2週間の旅で最も印象に残った出来事がある。それは、チェコ・プラハの街で迷子になったことだ。私の素敵な方向感覚とプラハの入り組んだ街並みのお陰で、どうやら地図の外を彷徨っていたらしく、長い時間歩き回ったのだが結局目的地には着かなかった。
その後も2回程、他の国においてだが、歩き回って結局目的地に着かず終いという経験をした。地図を持っているとはいえ、知らない土地を彷徨い歩くのはとても焦る。このまま帰れなくなるのではないかと思ってしまう。
しかし、この様な知らない土地で迷子になるというのも、旅の醍醐味の一つだと思っている。すんなり目的地に着いてはつまらない。迷い込んだ先に見つける物もある。そのプラハでは住宅地に迷い込んだ。観光施設の周辺とは違い、閑散としそこはかとなく生活感が漂っていて魅力的だった。見知らぬ土地で迷子になっているわけで楽しんでいる場合ではないのだが、自分がもしここに住んでいたらどの様な生活をしているのかなどと想像して大いに迷子を楽しんだ。旅には寄り道も必要だ。